モニュメントバレーとナバホのホーガン

アーチーズ訪探を終えて、モーアブの町から一路次の目的地、モニュメントバレーを目指し走った。
モニュメントバレーはアメリカ先住民のナバホ族の聖地であり、ここナバホ居留地の中に存在する。そして、映画『駅馬車』の撮影地らしい。この映画自体を見たことが無いので、あんまりピンと来ないけど、その景色を見れば誰もが、『あぁ、ここね。』とうなずくようなテレビや映画、何らかのメディアを介して記憶に残っている有名なまさにアメリカを彷彿とさせる場所である。それと、僕にとって、この旅を始めるきっかけを与えてくれた本で、著者が一番お気に入りの場所として挙げていた場所だったので、この旅のハイライトとして特別な場所であるとずっと意識して走ってきた。

この町にはお世話になろうか、なるまいか、旅の進行具合が気になっていたため迷っていたナバホ族の学校職員をなさってみえる、レアリさんが住んでいた。
このレアリさんの存在、ソルトレイクでも一緒だった先輩サイクリストの心さんの紹介で知り、初めは気を使うのが嫌で訪ねるつもりは無かったけれども、ここまでペアランしてきた岳君が既に連絡をとってお邪魔する事になっていたため便乗する形で2人で学校を訪問した。

笑顔で迎えてくれた大柄で恰幅のいい男性。とても暖かそうな物腰で急に1人増えたゲストも快く迎えてくれた。

彼は校内の敷地に建てられた、当面の僕らの宿舎となる場所。ナバホの伝統的な住居『ホーガン』へと案内してくれた。その姿にびっくり。まさに伝統的な感じのする民族博物館にでも展示してありそうな土壁の建物だった。そんな場所に泊めてもらって良いのか??と言う様な貴重な体験をさせていただく事になる。なかなか、泊まろうと思っても泊まれない場所だ。しかも、別棟にシャワー、トイレ付き。モニュメントバレーも近い。
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ホーガン外観
迷っていたが、来て大正解!

このホーガン、建物の中の中央に薪ストーブが置いてあって朝夕は非常に暖かい。
しかも、人生で初めて目にした『石炭』これを燃料に使う。
つやつやした真っ黒な塊。結構重い。触っても木炭のように手が真っ黒になることも無く臭いも全くしない。しかし非常に脆く硬いもので叩くと簡単に砕ける。
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ホーガン内部
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レアリさんが『水曜日に石炭採りに連れて行ってあげるよ』と言ってくれた。何でも後で聞いたところによると奥さんのお父さんが炭鉱で働いているので、無料で石炭をわけてもらえるとのこと。楽しみが増える。

時間も既に3時を回っていたためモニュメントバレー見学は次の日にし、荷を解き夕食を作り暖かい床に就いた。