今日は100キロ先の町まで走って宿を取るつもりだった。
朝、8時ちょっとすぎにアラウシの町を後にした。
アラウシがおよそ標高2300くらい。
そこからずっと2600まで上がる。
そして再び2300まで下がって
また2500まで上がって
また2200まで下がって
また2600まで上がって
また2300までさがって
そんなこんなで結局午前中は35キロほどしか走れなかった。
それにとにかく腹が減っていた。
最近良く食べるようになった。
それなのに体は人生史上最高に引き締まって腹筋も割れ出し、下っ腹の贅肉もなくなって
フラットになっていた。これもアンデスマジックか?
とそれはさておき、
ここで出てきたチュンチという町でレストランに入った。
ここで食事していたオッサンが話しかけてきた。
どこまで行くんだ?
どこから来た?
そんないつもの会話をしていたが、
最後は僕のことをアミーゴと呼んでいた。
僕が「なに食ってるの?」
というと「チュラスコだ、これはいいぞ」とオッサン
確かにうまそうだ。
僕もあれ頂戴と店員に頼んだ。
チュラスコとは焼肉。それにポテトフライやサラダやライス等がついた定食。
ボリュームもあって、すいたおなかには最高だった。
食事を終える頃にはオッサンは先に食べ終わって居なくなっていた。
さて、午後の部。ここから3000くらいまで上がります。
って、目的の町までつけるのか・・・・?
ずーっと、ずーっとひたすら、じみーな坂道が続いていた。
上れども坂。
次第に雨も降ってきた。
上り坂に雨。
しかも自転車。
最悪な組み合わせ。
雨具を着ていても、
自分の汗で中までベタベタ。
靴もベタベタ。
しかも標高2800。
寒いです。止まると、寒いです。
疲れても休憩できません。寒いし、
どこに居ても濡れます。
雨宿りできるような場所もないし。
しかも、犬。
エクアドルの民家の番犬。
たちが悪い。放し飼いで1件に4~5匹飼ってる。
やはり、頭数がそろうと強気になるのか、1~2匹相手にしてるのとは訳が違って、
立ち止まって大声出して棒振り回して脅しても、
狂ったようにほえまくって諦めない。
本当に身の危険を感じるほど。
まだ、飼い主が出てきて制してくれればいいけど
出てこなかったり、留守だったりすると、
どこまでやっていいのか困る。
自分的にはとことんまでやり合ってみたいと思っているが・・・・。
今回も5匹に散々ほえられ。俺はマジ切れ。
いつでもやったるわ!!!!
と、自転車道にほっぽって、棒振り回して絶叫。
奴らも絶叫。
飼い主不在?
けん制しながらも、自転車起こして押しながら前に進む。
あまりにしつこいので、また自転車ほっぽって、絶叫。
奴らはひるんで絶叫。
俺、完全に切れて棒振り回して追っかける。
奴ら逃げながら絶叫。
雨は降り続け、
その横を車がシャーシャー走ってゆく
何てシュールなんだろう。
すると1台の車が止まった。
降りてきたセニョール、は何と、さっきのレストランで会ったアミーゴ。
「大丈夫か?
ここはたくさん犬が居るし、たくさん坂がある、雨も降ってるから
上の町まで乗せていってあげるよ。丁度、俺もそこへ行くから。」
と親切にしてくれた。
が、断った。「せっかく自転車旅してるから、全部走りたい、走らなきゃ意味がないから。」
と。
すると、「そうか、ユタカ、じゃ、気をつけて行けよ。いい旅を!」
と手を差し伸べてくれた。
僕らは握手をし別れた。
その後もひたすら上りは続いた。
時間も午後5時を廻ろうとしていた。
依然として雨は降り続き。ずぶぬれの体は
アンデスのアップダウンにやられてヘロヘロ
すでに80キロほど走っていた。
よさげな野宿地を物色しつつ、どうしようか迷って走っていると。
民家が現れ、道の分岐にある小さな町が現れた。
やった~とばかりにここで宿探し。
町の若者に尋ねると
「ホテルなんてねーよ、40キロ先の町まで行かないと。」
とつれない返事。
確かにそんな施設があるような規模の町ではなかった。
しかも、彼の後ろに居た奴が「チニート、チニート」
とほざく。少々、疲れた体にムッとしてしまった。
※チニート、チーノとはアジア人を少々馬鹿にた意味合いで呼ぶ呼称。本当は中国人を
なじっているつもりなのだが彼らはその辺が無知なのでアジア顔はすべて中国人と思っている。
日本も中国の一部だと本当に思っている人も多い。
さて、町を離れたが、民家が坂に沿ってずっと続く。
犬もなぜか必ず飼っていて、
熱烈な歓迎を受ける俺。
しかも降り続く雨に上り坂、しかも工事中の路面は超ダート。
ホテルなし。
民家続いて野宿地無し。
自転車を降りて犬とやり合っていたのでそのまま
追いかけられないように自転車を押して上がっていた。
次第に民家は途切れ。
翌朝撮影。
やっとよさげな野原が道路わきに。
今日はここでキャンプしよっと。
ヘロヘロな1日だった。
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