昨晩、夜中に起きたときは雨が降っていた。
今朝もあまり天気はよくないようだが
幸い雨は降ってないようだ。
行ける。出よう。
朝、身支度して7時に出る様に
荷物を運び出す。
それを見ていた宿のオヤジさんらしき年配の
男性が昨日仕舞い込んだ自転車を出して来てくれた。
親切に荷物を取り付けるのを手伝ってくれた。
最後に握手を交わしてお礼を言って出た。
走り出してしばらくして青空が見え始めた
何とも気持ちのいい標高4000弱の世界
遊牧民の移動式住居(テント)が見える、夏の離宮かな?
しばらく行くと左手に湖が。
ヤクが放牧してあって向こうの方まで草を食む姿が
絵になる。これを見ていると南米ボリビアのサハマでみた
風景、サハマの前に広がる大平原で無数のリャマが果てしなく
向こうまで草を食む姿の絵と重なる。
これがその景色
と写真を見返したらこちらの方が雄大だった。笑
さて、見晴し台でちょっと休憩。
その後いよいよ本日のメインイベント
4500mの峠越えがスタート。
徐々に坂道に。
と左手の山の稜線の切れ目から雪山が姿を現し始めた。
さぞ名の有る山と思い後でネットで調べたら、
雀儿山(Què’ér Shān,6168m)という山らしい。
徐々に見えて来たが麓に湖があるようだ。
最初は少しだけ、一つだけ、見えていた雪山は
標高を徐々に上げるごとに真の姿を現してゆく。
登り始めは雲に覆われていた山頂付近も
徐々に雲が晴れ始め。
道は途中からガレガレの未舗装ダートになった。
が狭い道なのにも拘らず、大型トレーラーや乗用車が
結構走ってくる。
時々停まってはの撮影タイムが
つづら折りを折り返すたびに
本当に絶景だった。
そして峠はなんとか登って頂上へ。
手元のGPSの高度計は4574mを指していた。
とここで丁度お昼。
7時半に出て4時間半走って30キロ弱しか進んでない
のにちょっとびっくりしながらもメインが終わったので
ほっとして、ここ、峠のてっぺんで昼食を。
道路の脇に登れそうな場所があったので
道の脇の小高い場所で
絶景を見ながら入れるインスタントコーヒーは旨い。
コーヒー飲みながらラーメンを作って食べる。
食事してたら山の上からバイクに乗ったチベット人が
現れて少し会話にならない会話を交わす。
身振り手振りで、「飯食ってんの」と言って
ニコリと笑う。
しかし、このさらに上に何が有るのか?彼は何
をして来たのか?謎が多い。
峠に別れを告げダウンヒル。
雪山の逆側を右手に眺めながら下る。
この日、これで終わったと思ったメインイベント。
夕方頃、天気が下り坂でとうとう雨が。
走行距離も伸びず70キロそこそこで、結構降って来た。
どうしようか(キャンプのつもりだがもう良いサイト
を見つけてキャンプするかどうか?)迷ったが、あとの工程
明日からの工程も有るので100は走りたい。
雨具をフル装備で付けて雨のなか走ることに。
なかなか止む事の無い雨と風に萎えそうになりながらも
昔の旅の事を思い出していた。
北米、カナダ、ブリティッシュコロンビアでアラスカハイウェイ
を走っていたときの事。雨が毎日続いて朝から晩まで数日。
着ている服も靴も、テントも何もかも濡れて、でも周りに
宿も町も無い。あの頃あんな過酷な状況でもよく走ってたな。
リアードの温泉に付いた時も未だ降っていた雨。
懐かしい。あれに比べたら、全然マシだな。
と思ったら走れていた。
結局、90くらい走った頃に雨は止み、
青空が見え始めた。
が、ここでまた別の嫌な問題が。
もうすぐ100kmなのだが、
民家や移動式住居が点在している。
キャンプ出来そうなサイトが無いと言う事。
それに、こちらは既に9時間近く走って、
午前中には峠も越えてヘロヘロなのに
民家の前を通り過ぎるときに、子供たちが
「ハロー!!」
と言って手を振ってくる。
これに最初は答えていたが
回数が増えてくると、正直、申し訳ないが、ウザい。
疲れてるし、キャンプ場所見つからんし、最近、夜9時
近くまで明るいのでイライラしているのに、
いちいち全部に「ヘロー」などと手を振ってられる程
寛大に出来てない俺。時々無視して気づかないふりして
走る。
チベット高原辺りはキャンプし易いかと期待してたが
これまた、漢民族の世界と同じで、民家がが途切れる事
が無い様。畑は耕してないが、ヤクや馬が放牧してあって
遊牧の民だけに機動力が有る。民家同士が離れていても
周りに草原で何も無いので見つかり易い。
故に良いサイトが見つからない。
この日、ヘロヘロになりながら、あの角を曲がったら
民家が無くなるんじゃないか?という淡い期待を
抱きながら走り続けていると、標高が次第に上がりだす
4000、4100、4200、4300。
結局、峠の手前のつづら折りのカーブ。そこの谷
に付いた頃民家が途切れたので道路から外れて
小川の側でキャンプする事にした。
だが、何故か、丁度逆側で重機で何やら作業してる人が
2名。もう夜7時だと言うのになかなか辞めない。
そして、山の上の方から降りてくる家族連れ風の
一団。こんな時間に何してんだ?こんなへんぴな場所で
俺にキャンプさせないつもりか!?
と心の中で愚痴りながら。
開き直ってテントを張る。
結局作業員はその後、暗くなるまで作業していた。
本当に中国は野宿場所に困る問題は健在だった1日。
2017年6月11日、走行、112.12km。
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