モーリタニアという国

翌日、薄暗いうちにテントをたたんで出発。
出来る限り気温が40℃を越える11時前には距離を
かせいでおきたい。
本当にモロッコのティズニット辺りから始まった西サハラ
すでに1600km走ってるが、特段砂漠と言うだけで
写真も書く事も無い。ただ走るのみ。
昼ぐらいに70kmくらいまで走って
あまりの暑さに現れた数少ない木の木陰に逃げ込んだ
木といっても砂漠地帯のそれは大きくも無く、
地下水脈のおかげで育った枝には葉っぱなんて無い
イバラのように尖った枝があるだけの木。
葉っぱがないので木漏れ日が漏れまくりだが、
日向よりは数段マシなのだ。
それでも気温は30代後半。
お湯になった水と行動食のビスケットで昼休憩。
その後、昼寝をした。
が暑いので、1時間も寝られない。
もう少し大きな影の出来る木を求めて少し走り出す
走れるかと思って道路に出るが、気温は46℃まで
上がる。確かに物理的には体力的には行けるが、
そのまま走ったら、体調が悪くなって倒れそうな暑さ。
道路から砂丘があって死角になる所にさっきより
大きな木があったのでそこに退避。
夕方までやり過ごす事にした。
水は途中の商店やらなんやらで十分確保してあるので
問題無い。
ここで過ごした5時間程で訪問者が2組。
道路から死角になってて見えづらいが、対向車線からは
少し見えるので、最初の訪問者は4駆に載ってターバン
撒いたおっちゃんが心配して引き返してきて、様子を見に
来た。終始フランス語なのでさっぱりだったが、
自分が倒れてる訳ではないとしって、良い旅をと言って
去って行った。2組目はランドクルーザーに乗った
若い20代の兄弟。
オラオラ系の兄貴とひょろっとしておとなしそうな弟。
お茶しようぜと俺を誘って来た。
車から降りて来た2人は、モーリタニア式のお茶を
淹れるため準備しながら色々話しかけて来た。
兄貴の方が流暢なスペイン語を話すので意思の疎通が
出来た。彼も自分がスペイン語を少々解す事を知って。
おー、アミーゴ、なら、俺たちの前に言葉の壁はないぜと
いって気さくにいろんな事を教えてくれた。
彼は普段ヌアディブというモロッコ国境に近い町に
単身赴任で住んでいて、家と家族は首都のヌアクショット。
今日は丁度ヌアクショットからヌアディブに戻る途中だと言う。
仕事は、シーズンのときはタコの漁師。そう、日本にて消費される
タコの約7割がアフリカ産であり、そのうちの5割がモーリタニア産
となっているというタコ。
そして、もう一つの方の仕事が凄かった。
金を掘っている。という。
丁度自分たちがあったこの地点から北東に140km程いった
荒野の中に金の鉱脈があってそこで働いている。
と自分が取った金のコイン大の塊の写真をスマートフォンで
見せてくれた。彼いわく、彼の友達は5.3kgもの金を掘り出したんだ
と言っていた。ユタカもモーリタニアで俺たちと一緒に
働かないか?と言っていた。
モーリタニア式のチャイを振る舞ってもらったり
ターバンをくれたり、水やジュースをくれたりと
とても親切にしてもらった。
不毛な砂漠のど真ん中、クソ暑い午後だったけれど
楽しい時間を過ごさせてもらった。
彼らが去る時間が来てお礼を言って別れた
時間は午後5時過ぎ。大分暑さも和らいできたので
自分ももう一踏ん張り、少し距離を伸ばしておきたい
20キロ程走ってこの日はキャンプした。

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